クース作りは容器の厳選から~度数は高い程香芳しい~

   

クースづくりの第1番目の絶対条件は壷の厳選である。これを誤ると不味いクースに出来上がってしまう。awamori_yomoyama_32_kosyu_kame_select

年代を重ねていくうちに容器臭(現在は容器香という)が出てきて、現代の嗜好にマッチしない味になる。いうところのカーミカジャー(甕臭)である。

確かに熟成は進んで味はまろやかで甘味も出てくるが、香りに難点がある。

私自身もこれで失敗を重ねてきた。カーミ(甕)を求める時、実際にその口に鼻を突っ込んで何度も何度も土の臭いがないかどうかを確かめて買ってきたのであるが、それでも失敗した。年月が経つに従い土の匂いが染み込むカーミがあるのである。

この容器臭について、日本の名陶工21人に選ばれた島武己さん(中城城跡近くに登り窯を持つ)は次のように話している。

「焼きがあまいから土の匂いが出るのであり、うんと焼き締めると絶対に出ない」と。

残念ながら私は島さんの壷はまだ1本も手許にない。このクースガーミの選び方についてはぜひ島さんか、本部町谷茶のクースづくりの達人・謝花良政さん、または那覇市安里の居酒屋「うりずん」の土屋寛幸マスターに教えを乞うて欲しい。

人のいいこのお三方は喜んでタダで親切丁寧にクースづくり万般(ばんぱん)について教えてくれると思う。

さて、5升壷、1斗壷、2斗壷などいいカーミを求めたらなるべくそれの肩のところまでシュロ縄で巻かせることをおすすめしたい。これは持ち運びに便利であると同時に、物にぶつかっても割れにくい利点があるからだ。

次に中身の酒を詰めるのであるが、これは各人好みのタイプの味があるメーカーの泡盛を買い入れ詰めればいい。度数は高いほど良く43度ものかそれ以上のをおすすめしたい。

30度以下のは年数が経つほど水っぽくなるという説は多くのクースづくりの達人たちの一致した経験談である。

琉球泡盛の品質は戦前は優れた名酒だった。それが敗戦で総て黒麹菌はじめ原料米、技術機器等を失ってしまい手探りでの造りを余儀なくされてしまった。

戦後の一時期は粗雑な原料で造られたおかげで不味くて県民にも卑下された苦い想いを背負っている。

が、今日琉球泡盛はその汚名を完全に払拭した。名誉を挽回したのである。従ってクースづくりの親酒は各々が好きな銘柄を選んで、正しいクースをつくることができる。ただしそれはあくまでも冒頭に述べたように壷の厳選が前提である。

琉球泡盛は根が純粋で正直なだけに物に対してすぐに順応する特性があることをしっかりと心得ておくべきであろう。これは我が琉球民族の性格に限りなく似ているようにも思える。

さて、度数の高い泡盛を詰めた壷はどこに置いたほうがよいのか。これにはいろいろな意見がある。

「四季を通じて温度差があまりない所が良い」という説や、「自然の状態で置いたほうが良い」等の経験談があるが、熟成のテンポを考えると暑さ寒さの自然状態のままのほうが良いのではなかろうか、と私は考えている。

そして時々その壷に振動を与えることだ。そうすることによってアルコールと水の会合が始まる、つまり熟成を促すことになる訳である。

さらに3~4年に1度は汲んで味見することをおすすめしたい。正しく熟成しているかどうかを確かめることだ。

琉球泡盛はびん詰めのままでも熟成することは私の体験上実証済みであるが、壷詰めのクースのほうが味に深みがある感じがする。

いずれにしてもクースづくりは1日でも早く始めたほうが勝ちである。

2001年8月号掲載

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