「第11回くぅーすの杜 忠孝蔵春祭り(忠孝酒造)」を楽しむ。

   

4月23日(土)24日(日)の2日間、忠孝酒造くぅーすの杜忠孝蔵(豊見城市)において、「春祭り」が開催された。

ボクが出かけたのは祭り初日の土曜日、前日までの長雨が嘘のように晴れ上がっていた。4月に入りシーミーシーズンに突入してからというもの、週末になるとずっと雨にたたれていただけに、ボクは絶好のシーミー日和になったこの日の祭りの客入りが気になっていた。しかし、会場を訪れた時にはすでに多くの人でにぎわい、シーミー帰りの一行だと思われる家族連れもたくさん見受けられ、今年で11回目を迎える「忠孝蔵春祭り」を地元の人や多くの泡盛ファンがどれだけ楽しみにしているかがうかがえた。

絶好の天気下の忠孝蔵。早くも泡盛の香りが漂ってきて、今日も飲む――あ、違った、働くぞという気持ちになった。

絶好の天気下の忠孝蔵。早くも泡盛の香りが漂ってきて、今日も飲む――あ、違った、働くぞという気持ちになった。

ボクが会場に着いたのは午後1時30分頃。ホントは12時過ぎには到着したかったのだけれど、予定していたハンドルキーパーが「雨で延期になっていたシーミーを急遽行うことになったので行けない」と連絡があり、しかし、一緒に車で会場まで行ってくれる奇特な友だちもいないので、しょうがないのでカァちゃんにお願いしたら「身じたくして出かけるまで2時間以上」という。しかたないので、思いきってバスで行くことにした。

12時30分ごろ自宅の最寄りのバス停から市内線バスに乗り、開南で系統番号89番の糸満線に乗り換え、そこからおよそ30分で忠孝酒造の最寄りの我那覇バス停に到着した。時間にしておよそ1時間。料金は390円。市内線のバス賃と合わせても620円と思っていたよりも安く早く会場に着いた。忠孝酒造までの短く小さなバスの旅であったが、ボクはなんだか得した気分になり、これからは那覇以外でこの手の取材があるときはバスが便利だなぁ、と思った。

会場に到着したら、案内板に従って忠孝蔵内の試飲コーナーへ向かう。何はともあれ、まず初めにやることは試飲である。酒造所のイチオシやまだ飲んだことのない銘柄をジックリ味わうことができるから、ボクは試飲をかなり大事に思っている(とはいうものの、ホントはタダで泡盛が楽しめるからじゃないのという編集部からの声も…)。試飲することでその酒造所の泡盛の特徴や傾向も知ることができるからで、けっしてタダ酒が飲めるというさもしい了見ではない(とかなんとか言ってるよとも聞こえたり…)。まず1杯目を試飲(一杯目と言っちゃったよ。飲む気満々だ…)。ん!?、さっきから耳元でなにか聞こえるけど、気にしないでタダ酒を試飲する(やっぱりタダ酒が飲みたいようだ…)。

まず最初は地釜蒸留の「マンゴー酵母仕込み 地釜50度」。甘い香りで味は意外ときつくはない。「甘い香りはバニリンに含まれる4-VGですね」と解説してくれたのは試飲担当の熱田和史さん。バニリンとはバニラのような甘い香り成分のこと。「地釜で蒸留しているので焙煎の香りもあります」という。50度で強烈な味わいだけど熟成すると美味しく変化するのではと思える味わいだった。再確認のためにもう一度試飲する。それから同じマンゴー酵母持込みの「華忠孝30度」。その名の通り華やかな香りで、マイルドだけど濃厚な味わい。「常圧と減圧蒸留をブレンドしています」というだけあって、ふっくらとした風味がある。生のままクイッといけたのでこれももう1杯試飲する。

試飲コーナーで担当してくれた熱田和史さん。忠孝酒造の魅力を教えてくれつつ、どんどん試飲をすすめてくれた。

試飲コーナーで担当してくれた熱田和史さん。忠孝酒造の魅力を教えてくれつつ、どんどん試飲をすすめてくれた。

続いて「忠孝ゴールドプレミアム30度」。「マンゴー酵母仕込み3年古酒と四日麹製法の一般酒、そして10年古酒をブレンドしてます」。確かに味わいに厚みがあり、華やかでスッキリとした甘味もあり泡盛らしい美味しさが感じた。

次にすすめられたのが「忠孝五年古酒43度」と2015年の鑑評会で優等賞を受賞した「六年古酒44度」。五年古酒は芳醇な香りでまろやかでふくらみのある味わいで、六年古酒はコクと深みのがある濃厚な味わいで、古酒ならではの風味が楽しめた。違いを確認するためにもう1杯づつ試飲する。

最後は「よっかこうじ粗濾過12度」と「よっかこうじ粗濾過44度」を試飲。「昔は四日麹製法の酒造所はいっぱいあったそうです。うちでは四日間かけて麹を作ることで菌糸が米全体にまわり、酵素力を上げています」。「粗濾過44度」は味と香りがふくよかで、粗濾過だけあって口の中で暴れる感じがするけどスッキリと飲め、驚いたことに飲んだあとにノドの奥から旨みと香りが出てくる、クセになりそうな味わいだった。「粗濾過12度」はマイルドで飲みやすいのに粗濾過のせいか一般酒とは違う旨みがあった。

知っている銘柄より知らない銘柄が多く、それぞれが特徴的でどれも美味しかった

知っている銘柄より知らない銘柄が多く、それぞれが特徴的でどれも美味しかった。

2016_04_23-24_cyukou-syuzou_spring-festival_kadekawa-manabu-memoir_04何回かおかわりをしたとはいえ、試飲コーナーにあった8種類のすべて泡盛を試飲。それだけでなんだか心地よくなってきて、ボクは熱田さんにお礼を言って試飲コーナーのある忠孝蔵をあとにした(結局、試飲だけで何も買わなかったのかい…誰!?)。

忠孝蔵を出るとすぐに目の前で泡盛を愛する若い人たちの集団「awamoriplus(アワモリプラス)」のメンバーが出店していて、泡盛の歴史や品質の良さについて会場に訪れた人たちにわかりやすく教えていた。アワモリプラスの活動がどんなものか詳しく聞きたいのだが、それよりもやることがあったので話は後で聞くことにした。

awamoriplusの面々。若い人たちの泡盛離れを食い止め、沖縄の文化として泡盛について真剣に考えいる。

awamoriplusの面々。若い人たちの泡盛離れを食い止め、沖縄の文化として泡盛について真剣に考えいる。

アワモリプラスの出店ブースを離れ、まずは祭りでなくてはならない振る舞い酒コーナーへと向かった。今回の振る舞い酒は「忠孝プレミアム」の水割りとしまボール、そして「華忠孝」の水割りもあったので、順繰り順繰り飲んでいった。ステージではカラオケ全国大会への出場をかけた予選大会が行われており、多彩な出場者の歌のうまさに聞き惚れつつ、利き酒コンテストが行われている蔵へと向かう。

振る舞い酒というだけで心が踊るのはなぜだろう。忠孝ゴールドプレミアムの華忠孝もどっちも試飲済みなので楽しみだ。

振る舞い酒というだけで心が踊るのはなぜだろう。忠孝ゴールドプレミアムの華忠孝もどっちも試飲済みなので楽しみだ。

利き酒コンテストは「度数当て」と「年数当て」があり、解答用紙を箱に入れ正解者はステージの上で発表されることになっていた。ボクは解答用紙を箱に入れたあと、マイブレンドコーナーがあったのでチャレンジすることに。5種類の原酒に忠孝酒造秘蔵の古酒が準備されており、ボクは何度かチャレンジするも思うような風味が出せず、振る舞い酒を飲みながらやっていたのでだんだん酔いが回りわけがわからなくなったので、最後は準備された6種類の原酒をひとつのコップに入れ、そのまま飲んだところ、奇跡的に旨かったのだが、それぞれの原酒の比率がわからず、幻のマイブレンドとなったのであった。そこでわかったことは忠孝酒造の泡盛は何をどれだけたしても美味しいブレンドになるのだということだ。

度数あて、年数当てはやっているときは楽しいけれど、気がついたことが一つ。それは、飲みながらやったら当てられないということだ。

度数あて、年数当てはやっているときは楽しいけれど、気がついたことが一つ。それは、飲みながらやったら当てられないということだ。

マイブレンド。自分なりのブレンドと言うけど、やったらわかったのが難しいということ。ブレンダーの凄さを知った。

マイブレンド。自分なりのブレンドと言うけど、やったらわかったのが難しいということ。ブレンダーの凄さを知った。

試飲、振る舞い酒、利き酒、マイブレンドと連続で飲み続けたところで気分が高揚し、テーブル席にたどり着いた。そこでまた振る舞い酒を飲みつつステージのカラオケを聞いていると、お腹が空いてきたのでウィンナーとチキンの唐揚げを購入。泡盛はどんなつまみも合うなぁ、と思いつつ飲んでいると、小学校の時の同級生や泡盛イベントで必ず会う知人、泡盛新聞とゆかりのある人など、いろんな人に出会う。その度に乾杯をするのでだんだんロレツも回らなくなってきた。

毎年人気のカラオケ大会。みんな歌がうまく前年度優勝者もギリギリで決勝進出した。

毎年人気のカラオケ大会。みんな歌がうまく前年度優勝者もギリギリで決勝進出した。

他にも焼き鳥や沖縄そばなどいろいろ食べたけど、自分で購入したのはこれだけ。

他にも焼き鳥や沖縄そばなどいろいろ食べたけど、自分で購入したのはこれだけ。

これではいけないと思い、最後の仕事として、アワモリプラス代表の比嘉さんにインタビューを試みた。通常だとインタビューした内容を覚えているのだが、今回は全く覚えていない。覚えていないけど、ボクの代わりにボイスレコーダーが覚えてくれるので、安心してインタビューをなんとか終えた。

awamoriplus代表の比嘉康二さん。普段は久米町のバー、泡盛倉庫の店長をしている。若いのによく泡盛を勉強している人だ。

awamoriplus代表の比嘉康二さん。普段は久米町のバー、泡盛倉庫の店長をしている。若いのによく泡盛を勉強している人だ。

とりあえず今回の仕事を終えたボクは、また振る舞い酒を飲み、あっちこっちのテーブルに座っている知り合いのグループを回り、乾杯を重ねて祭りが終わるまで飲み続けたのであった。祭りの最後に「今日は国際通り周辺で夕方からバルウォークがあるから行かない?」と誘われ、かなり気分のいい状態で国際通りへ向かう。てんぶす館前でチケットを購入し、みんなの後をついていきつつ、飲み食いを続けていたら、かなり酔眼朦朧となり最後はバルウォークとは関係のない桜坂の「バーエロス」で盛り上がったところで、記憶が喪失しまったのであった。

(嘉手川 学)

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