世界でも初のパインブランデー本格操業へ(昭和45年10月20日)

  • [公開・発行日] 1970/10/20
    [ 最終更新日 ] 2016/01/24
   

沖縄に於ける酒類業界に全く新しい分野の業種が誕生した。パインの残滓(ざんし)を利用して出来るブランデーである。1970_10-20_okinawa-manufacturing_pineapple-brandyパインからブランデーをつくるのは世界でも初めてだといわれ、業界の注目を集めているが、合理化が叫ばれている第一次産業のパインの残りカスを利用して、“うまいブランデー”がでるとなれば、まさに一石二鳥の企業と云えよう。

興陽産業株式会社(社長:仲村清秀氏、会長:仲村栄俊氏、場所:那覇市上泉町1-23)では、かねて計画中だったブランデー醸造の酒類免許を去る11月18日に受け、名護市字仲尾次に約1年がかりで工場を建設、去る8月25日から本格操業に入っている。

泡盛、ビール、ウイスキー、焼酎、ラム酒、日本酒に次いで新たな県産,フランデーが戦列に加わる訳だ。4月10日、すでに試験蒸溜も済んで、ラベルも発注、県内販売はいつでも出来る態勢にあるが、同社の計画では2割程度が県内へ、8割は本土輸出に向けるため、本土の各取引き先との価格調整が済み次第発売するもようである。

すでに各取引き先には試作品を送っているが、専門家の間でも好評を得ており、同社では自信をもって発売できると語っている。

ところでパインからブランデーをつくるのは世界でも初めてとあって、同社では非常な苦心をしてきたようだ。すなわち、パインの強力なクエン酸にブランデーの酵母菌入れるとすぐに死ぬため、協力なクエン酸に耐え得る強い酵母菌を開発している。ヨーロッパ、本土、沖縄在の菌を総合して沖縄の気候風土にマッチした菌を作り出したわけだ。

林博氏(戦前、大蔵省酒類検査官)の開発によるもので、同社では林菌と呼んでいるが、県内産のパインブランデーの出現によって、地元洋酒業界には幾分影響してくるのは確かであろう。

興陽産業の久高常務談

今までの酒と違って特殊な味で、翌日頭にこないのが特徴だと思う。いかなる酒類にしても100%県内原料を使用しておりません。ブランデーの場合は100%県内供給であり、そう云った意味でみていただきたい。

第一次産業のパイン合理化がさけばれている現状において、その面へのプラスにもなるし、又搾りカスを乾燥して牛の飼料としても売り出しており、ドル流出面にもお役に立っている訳です。これも琉球政府のお陰であり、深く感謝しております。

 

ブランデーとは

ウイスキー、ブランデー、ラム、ジンの4酒類の洋酒の1つで(洋酒の基酒と云われている)、本場はフランス、スペイン等が特に有名で、ヨーロッパでは4~5百年以前から造られていると云う。

果汁を醗酵、蒸留し、長年貯蔵させれるもので、酒類はブドウから造るブランデー、リンゴから造るブランデー(本土)チェリーブランデー等がある。

パインブランデーとは

パインブランデーは、パイン生果の約50%に相当する残滓(パインの残りカス)を原料として砕汁し、その果汁を醗酵、蒸留してできるもの。歩溜りは約10%と非常に低いと云われている。

興陽産業では現在、原料を北部11ヶ所のパイン業者を対象にしているが、製品は本土輸出が主で、50度(ドラム入)もののモルトとなろうと語っている。

モロミ処理能力日産300石。資本金14万ドル、総工費48万ドル、建物敷地坪数940坪、工期約1年がかりで完成させたもの。

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