古くて新しい沖縄の酒「イムゲー」復刻!(請福酒造・多良川・久米島の久米仙)

  • [公開・発行日] 2018/10/18
    [ 最終更新日 ] 2018/11/05
   

請福酒造(漢那憲隆社長・石垣市)、多良川(砂川拓也社長・宮古島市)、久米島の久米仙(島袋正也社長・久米島町)の三社は、平成30年10月17日(水)、ANAクラウンプラザホテル沖縄ハーバービュー(那覇市)にて、平成31年春ごろをめどに、米に加えて、沖縄県産の粉黒糖及び甘藷(さつまいも)を原料に使用した蒸留酒「イムゲー(芋酒)」を事業化すると発表した。

イムゲー

イムゲーとは、100年ほど前に、主に自家消費を目的として、庶民が集落や個人単位で広く生産していたと言われる蒸留酒で、庶民でも比較的に入手しやすい甘藷が主な原料として使われた。イムゲーに関する過去の文献の集約や醸造技術の復刻について沖縄県工業技術センター(うるま市)が協力。甘藷及び粉黒糖を原料に使用することで、現在の酒税法上の品目ではスピリッツに分類される。

kannna先行して試験醸造を行った請福酒造の漢那社長は「2015年から開発に着手しまして、製造ノウハウの獲得、製造免許の取得、原料芋の調達などに取り組み、今日にいたりました。

開発の目的は、長期的にはこのイムゲーを泡盛と並ぶ沖縄の酒として復活させることで、泡盛に特化して発展してきた沖縄の酒造業界の活性化、そして、泡盛とともに沖縄の酒文化の多様化をはかること、また、原材料の加工を通じて、第一次産業へ貢献し、琉球・沖縄の庶民文化の掘り起こしをすることで、沖縄の庶民文化を広く発信していくことにあります。

現在、請福酒造で試験製造をすすめていますが、他の二社に関しても同様に事業化をすすめています。また、このイムゲーを沖縄の伝統酒として普及させていくために、我々三社以外の泡盛酒造所からの参入も歓迎しております。

今週末から開催されます沖縄の産業祭り、また、11月の八重山の産業まつり、さらに11月末の離島フェアにおいても、私くしども請福酒造から最初のイムゲーの販売をいたします。

沖縄に適した作物を使用し、かつて常飲されていた古くて新しい、泡盛でも焼酎でもないイムゲーの復活は、沖縄の酒造業界だけでなく、農業を含めた様々な領域にいい影響を与えていくと期待しております。ぜひ、沖縄の産業まつりにおいて、かつての琉球・沖縄の庶民の酒をご賞味いただきたいと思います」とあいさつした。

@sunagawaまた、多良川の砂川社長は「このにいる三社は、久米島、八重山、宮古島と沖縄県の中でも離島にあります。これらの島々は、各々特色のある風習をもち、それぞれ島に特産物としての芋がございます。今回のイムゲーは、それら島の特産品を活用し、また、島の水、島の人間がつくる蒸留酒ということになりますので、農産物の地産地消に、そして一次産業への貢献ができるのではないかと期待しております。

正に古くて新しいカテゴリーの酒に対し、我々三社は知見を共有し、情報を共有して、また、各社これまでの泡盛製造で培った技術を活かして、各蔵独特のイムゲーを県内、県外そして海外へと発信できればと考えています」と語った。

久米島の久米仙の島袋社長は「久米島でも特産品としての紅芋があり、ここ数年、町の方から紅芋を活用してお酒が造れないかという話があました。しかしながら、設備等の問題があり、最後の一歩がなかなか踏み出せない面がありましたが、今回イムゲーを共同で事業化する話をいただきまして、これは、今がそのタイミングだと思い、自分の方も快くお受けしました。おそらくこの三社で過去に共同で活動するというのはなかったと思いますので、そのこともプラスに感じました。

100年以上前の話で、私も直接は知らないものですから、このお話を受けて、親父やオジーに尋ねましたら、飲んだことはないが、曾祖父が米が手に入りにくい時代は、芋で酒を造っていたと言っていたということでしたので、なるほど間違いない話だと感じました。また、各離島には、製糖会社がありますので、黒砂糖も確保できるということでやってみようということになりました。

@masaya私の想いとしましては、やはり島興し、一次産業興しに貢献したいということがあります。先代からの考えでもありますが、私どもは、久米島の水、自然、観光を受け継いでおいしい酒を造らせていただいております。私どもには恩返しといっても酒造りしかできませんので、とにかく久米島興し、地域興し、農業興しという点で頑張ってきたいということで、同じ考えを持つに至りました。その点、決して泡盛が売れなくなったからこれを造るということではないということだけはご理解いただきたいと思います。

今、業界にはみんなで一緒にやっていこうという新たな風も吹いています。今後、もし他のメーカーさんも参加したいというお話であれば、共同して沖縄にはこのようなイムゲーという商品もあるというとで、共に発展していきたいと考えています」と参加へのいきさつを語った。

請福酒造が試験製造したイムゲー(720ml・1620円税込)は、平成30年10月19日(金)に開幕する「沖縄の産業まつり(奥武山)」と平成30年11月3日、4日に開かれる「2018八重山の産業まつり(石垣市)」、平成30年11月23日(金)から始まる「離島フェア2018」にて販売される。

左から、島袋社長、漢那社長、砂川社長、古堅所長(沖縄工業技術センター)、(同センター)豊川主任研究員

左から、島袋社長、漢那社長、砂川社長、古堅所長(沖縄工業技術センター)、豊川主任研究員(同センター)

@suraida-

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